めまい改善を漢方薬局で？鍵は体質診断にあり！選び方と違い

 

毎朝、ふらつきや立ちくらみに悩まされていませんか。

 

「検査では異常なし」と言われたのに、日常生活に支障を感じている方は少なくありません。特に自律神経の乱れや水分代謝の低下、ホルモンバランスの変化が重なると、耳鳴りや頭痛、冷え、ストレスによるめまいなど、さまざまな症状が複合的に現れます。

 

病院では解決できなかった不調を、漢方薬局での体質チェックとオーダーメイド処方で改善したというケースも増えています。実際、厚生労働省の健康調査によると日常的なめまいを訴える人の中で、薬局の相談サービスを利用した人の再発率は大きく減少しています。

 

この記事では、めまいの原因を「気血水」や「体質タイプ別」に丁寧に分けながら、漢方薬の選び方を深く解説します。市販薬との違いや、体調に合わせた処方、服用期間の目安や副作用の有無まで網羅しています。

 

読み進めることで、あなたに最適な改善アプローチが見つかるかもしれません。再発を防ぐための生活習慣や、信頼できる薬局の見分け方も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

漢方薬局で相談が多い「めまい」とは？症状のタイプと原因を解説

ふわふわめまい・回転性めまいの違いと特徴

めまいの症状にはいくつかのタイプがあり、大きく分けて「ふわふわめまい」と「回転性めまい」の2つが代表的です。症状が似ているようで原因や対処法は異なるため、自分のめまいのタイプを正しく理解することが改善への第一歩です。

 

ふわふわめまいは、雲の上を歩いているような不安定さを感じる症状で、立ちくらみや疲労、ストレス、自律神経の乱れによって起こることが多いとされます。特徴として、目が回るというよりは、地に足がついていないような感覚で、日常生活の中でふとした瞬間に起こることが多いです。

 

一方で、回転性めまいは、天井や周囲がぐるぐると回るような強烈な感覚を伴う症状で、耳の内耳にある三半規管の異常が原因とされることが多く、メニエール病や前庭神経炎などの疾患に関連している場合もあります。こちらは突然起こることが多く、吐き気や嘔吐、難聴、耳鳴りを伴うこともあります。

 

以下は2つの代表的な症状の違いを比較したものです。

めまいの種類	症状の特徴	主な原因	併発しやすい症状
ふわふわめまい	足元がふらつく、雲の上にいる感じ	自律神経の乱れ、血流不足、疲労など	動悸、冷え、眠気
回転性めまい	周囲がぐるぐる回るような感覚	三半規管の障害、メニエール病など	吐き気、耳鳴り、難聴

 

多くの漢方薬局では、この「タイプの見極め」を非常に重要視しています。なぜなら、体質に合わない漢方薬を使うと、逆に症状が悪化するリスクもあるからです。たとえば、ふわふわめまいに悩んでいる方が回転性めまい用の漢方薬を使用しても、効果が得られにくくなるだけでなく、体調を崩す可能性もあるため注意が必要です。

 

このように、めまいは見た目だけで判断するのではなく、自分の身体に起きている変化と照らし合わせながら、適切な漢方薬や生活改善を取り入れることが重要です。タイプごとの理解が、根本的な改善のための大切な第一歩になります。

 

めまいの原因は「自律神経失調症」だけじゃない

めまいの原因としてよく知られているのが「自律神経失調症」ですが、実際にはそれだけではなく、多くの身体的・精神的要因が関与しています。正しい原因を見極めることが、適切な治療と回復への近道となります。

 

まず、自律神経の乱れによるめまいは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで起こります。特にストレスや睡眠不足、ホルモンバランスの変化が引き金となり、ふわふわとした不安定な感覚が日常的に現れるのが特徴です。

 

例えば、三半規管に水分が溜まってしまう「水滞タイプ」のめまいでは、ふらつきだけでなく耳鳴りや閉塞感を伴うことがあります。また、肩こりや首こりによって脳への血流が滞ると、酸素不足が原因でふらつきや頭重感が発生するケースもあります。

 

以下のように、めまいの主な原因とそれぞれの関連症状を整理すると理解しやすくなります。

 

原因分類	具体的な内容	関連症状例
自律神経の乱れ	ストレス、過労、睡眠不足など	ふらつき、冷え、倦怠感
内耳の障害	メニエール病、前庭神経炎など	回転性めまい、耳鳴り、難聴
血流障害	貧血、首こり、肩こりなど	頭重感、ふらつき、集中力低下
ホルモンの乱れ	更年期障害、甲状腺機能低下症など	顔のほてり、発汗、動悸
心因性の要素	パニック障害、不安感、過換気など	吐き気、息苦しさ、不安感

 

このように、めまいは多因子性の症状であり、自律神経失調症だけに焦点を当ててしまうと改善が遠のくことがあります。多角的な視点から身体の状態を見直し、漢方を用いた根本的なアプローチで体質を整えることが、めまいからの解放につながります。

 

漢方的に読み解く「めまいの根本原因」気・血・水のバランス

①「水滞」タイプ　体に水がたまりやすい人のめまいとは？

漢方において「水滞」とは、体内の水分代謝がうまく機能せず、余分な水が体内に停滞している状態を指します。めまい症状においても、水滞体質は非常に多く見られる原因の一つとされており、ふらつき・重だるさ・むくみ・乗り物酔いのしやすさといった特徴が共通しています。

 

体内の水分が適切に巡らず滞ると、平衡感覚をつかさどる内耳のリンパ液の流れにも悪影響を与え、結果として回転性めまいやふわふわ感が生じます。また、梅雨時期や気圧変化の大きい日などに症状が悪化しやすい傾向も見られ、これは外部環境の水分が体内の水分代謝に影響するためと考えられています。

 

水滞タイプへの漢方的なアプローチでは、利水作用を持つ処方が中心となります。とくに苓桂朮甘湯は代表的で、めまい・動悸・頭重感の改善に効果が期待されています。また、五苓散も体内の余分な水分を排出することでめまいの症状を緩和する処方として知られています。

 

水滞タイプは一見すると軽く見られがちですが、放置しておくと慢性化し、耳鳴りや倦怠感といった他の症状にも波及する可能性があります。専門の薬剤師による体質判断のもと、的確な処方と生活改善を組み合わせることが大切です。

 

 

②「気血不足」タイプ　栄養不足によるふらつき・貧血型

「気血不足」とは、漢方において体を巡るエネルギー（気）と血液（血）が共に不足している状態を指します。このタイプのめまいは、体力や栄養状態が低下した際に起こりやすく、特に女性に多く見られます。栄養不足や過労、月経による出血過多、出産後などのタイミングで発症しやすいのが特徴です。

 

気血が不足すると、脳や神経へのエネルギー供給が不足し、立ちくらみやふわっとしためまいが生じやすくなります。突然目の前が暗くなったり、頭がボーッとするような症状を経験する人も多く、朝の起床時や長時間の立位、入浴時などに悪化することがあります。

 

このタイプのめまいに対しては、気血を補う漢方薬が使用されます。代表的な処方には、補中益気湯や十全大補湯などがあり、これらは体力の底上げと血液循環の改善を目的としています。特に疲労感や倦怠感を伴う場合には、気力と血の両方を同時に補うことが重要です。

 

また、女性は月経周期やホルモンバランスの影響も受けやすいため、月経前後の体調管理も重要です。漢方薬局では、周期に応じた体質変化も考慮して処方を行います。気血不足によるめまいは一見軽く見られがちですが、長期化すると心身ともに疲弊してしまうため、早期の対応が求められます。

 

このタイプの改善には、即効性よりも継続的な体質強化が鍵となります。症状が安定したあとも、数ヶ月間は継続して服用することで根本的な改善が期待できます。自分では判断しにくい場合には、漢方薬局での丁寧なカウンセリングを受けることで、より的確な処方に繋がります。

 

 

③「肝陽上亢」タイプ　イライラや頭痛を伴うめまい

「肝陽上亢（かんようじょうこう）」とは、漢方において「肝」の機能が過剰に高ぶり、気や血が頭に昇りすぎてしまう状態を指します。肝は「血の貯蔵」や「気の流れの調整」を担う臓器とされ、精神状態とも深い関係があります。そのため、ストレスや怒り、緊張状態が続くと肝のバランスが崩れ、気血が頭に集中しすぎてめまいや頭痛、耳鳴り、動悸などの症状を引き起こします。

 

このタイプのめまいは、「カーッと頭に血がのぼる感じ」「目の前が真っ白になる感覚」「イライラしたあとに強く症状が出る」など、精神的な興奮がトリガーとなることが多く見られます。また、めまいの他に片頭痛やこめかみのズキズキとした痛み、のぼせや顔のほてり、眼の充血を伴うこともあります。

 

肝陽上亢によるめまいには、肝の熱を冷ます「清熱」や、過剰な気血の上昇を抑える「降気」作用をもつ漢方処方が効果的です。代表的な処方としては、釣藤散や抑肝散加陳皮半夏などが用いられます。これらは興奮した神経の鎮静を促し、精神状態の安定と血流の正常化を図ることで、めまいや頭痛を緩和します。

 

このタイプは、生活習慣やメンタルの影響を強く受けるため、漢方治療と並行して生活面の見直しが非常に重要です。以下のようなポイントに注意することで、より効果的な改善が期待できます。

 

• 夜更かしを避け、規則正しい生活リズムを保つ
• 精神的な過労を避ける、こまめな休憩を取る
• スマートフォンやパソコンの使用時間を制限する
• カフェインやアルコールを控えめにする
• 深呼吸や軽い運動、ヨガ、瞑想などで気分転換を図る

 

また、肝陽上亢タイプの多くは、自分で自分を追い込みすぎる傾向にあります。完璧主義や頑張りすぎる性格の方は、定期的に「自分を緩める時間」を設けることが大切です。特に更年期以降の女性や、責任の重いポジションにいるビジネスパーソンには、このタイプの体質が多く見られます。

 

 

④「腎虚」タイプ　加齢・耳鳴りを伴う更年期めまい

漢方における「腎」は、成長・発育・老化といった生命の根幹を担う重要な臓器とされています。腎の機能が衰えた状態を「腎虚」と呼び、加齢や過労、慢性的な病気などが原因で起こります。特に更年期以降の女性に多くみられるタイプで、めまいだけでなく耳鳴り・難聴・腰痛・足腰のだるさなど、全身にわたる老化現象を伴いやすいのが特徴です。

 

腎虚タイプのめまいは、慢性的にふらつくような感覚があり、立ち上がった時や歩行中に不安定さを感じることがあります。また、夜間の頻尿や記憶力の低下、手足の冷え、性機能の低下など、多岐にわたる症状が現れるため、単なるめまい症状として見逃されがちです。

 

このタイプへの漢方的アプローチでは、腎を補い、生命エネルギーの根源を強化する処方が用いられます。代表的な漢方薬には六味地黄丸、八味地黄丸、杞菊地黄丸などがあり、これらは腎精（腎のエネルギー）を補い、加齢による衰えからくる様々な症状の改善に効果的です。

 

腎虚体質では、日々の生活習慣が症状の進行に大きく関与します。以下のような養生が特に重要です。

 

腎虚によるめまいは、加齢とともにじわじわと進行するため、自覚症状が薄く見過ごされやすい点も特徴です。しかし、「最近物忘れが増えた」「ふらつきが常態化している」「耳鳴りや難聴が出てきた」と感じる場合には、早めの体質改善が重要となります。

 

また、更年期特有のホルモンバランスの変化とも深く関係するため、女性ホルモンの乱れによる自律神経の不調がめまいの一因となっていることも少なくありません。漢方薬局では、こうした複合的な背景を踏まえ、個々に応じたオーダーメイドの処方が可能です。

 

市販と薬局処方の違い！市販薬を選ぶときに注意すべきポイント

市販のめまい漢方薬はどこまで対応できるのか？

めまいに悩む方の中には、すぐに市販薬を試したくなる人も多いはずです。市販の漢方薬は、ドラッグストアやネット通販で簡単に入手でき、手軽さが魅力とされています。しかし一方で、その効果や適応範囲には限界があります。特に「ふわふわした感じ」「立ちくらみ」「ストレスが起因しているケース」など、複数の要因が絡んだめまいに対しては、単一の処方で根本的な改善を図ることは難しいケースが多くなります。

 

市販の漢方薬には、次のような特徴と制約があります。

項目	内容
購入のしやすさ	ドラッグストアや通販で購入可能
主な処方例	苓桂朮甘湯、五苓散、半夏白朮天麻湯など
対応できる症状	軽度のめまい、乗り物酔い、ふらつき
限界点	体質に合わないと効果が出にくい。診断なしで自己判断が必要
成分量・処方の自由度	厚労省の規定により用量や生薬の種類が制限されていることが多い

 

市販の漢方薬はあくまでも「一般的なタイプ」に対して設計された製品であり、体質の個別性を考慮したオーダーメイドではありません。例えば、同じ「ふらつき」を訴える人でも、その背景には水分代謝の低下、肝陽上亢による神経過敏、腎虚に伴う老化現象など、異なる原因が複雑に絡んでいる場合があります。これらを一括して市販薬で対応するのは無理があります。

 

また、副作用リスクも見落としてはいけません。市販薬であっても生薬の力は強く、体質に合っていないと逆に体調を崩す可能性もあります。特に長期服用する場合や、複数の医薬品と併用している場合は、薬剤師や専門家の助言が欠かせません。

 

 

薬局の漢方相談でしか受けられない体質チェックとは？

市販薬が手軽に買える時代でも、漢方薬局での相談を選ぶ人が増えています。その理由は「体質に合った処方」が可能だからです。漢方では、同じめまいでも人によって原因や体質が異なると考え、一人ひとりの状態に合わせた対策が基本です。

 

このように、体質チェックをもとに薬剤師があなた専用の処方を組み立てるのが、薬局漢方の最大の魅力です。同じ処方名（例えば苓桂朮甘湯や五苓散）でも、薬局では生薬の量や配合を細かく調整できるため、市販薬よりも「効かせる処方」に仕上がります。

 

漢方薬局では「今のあなた」に最適な薬を提供するだけでなく、体質や季節の変化に合わせて処方を見直すことも可能です。たとえば、最初は「水滞＋気虚」と診断された人が、数か月で改善が見られた場合、次は「血と腎を補う処方」に切り替えるなど、段階的なアプローチが取れます。

 

さらに、近年はオンライン相談が可能な薬局も増え、自宅にいながらも本格的な体質診断と相談が受けられるようになっています。遠方の人や多忙な方にとっても、専門的なケアが届きやすくなった点は大きな変化です。

 

まとめ

めまいの原因は一つではなく、自律神経の乱れ、水分代謝の低下、血流不足、精神的ストレス、加齢による機能低下など、複数の要素が絡み合って現れることが多くあります。症状が「ふわふわする」「ぐるぐる回る」など人によって異なるのも特徴です。そのため、根本的な改善を目指すには、体質や生活習慣を含めた個別対応が求められます。

 

漢方薬局では、問診や舌診、脈診などを通じて体質を見極めた上で、漢方薬の処方が行われます。市販薬では難しい細やかな調整が可能であり、たとえば同じ苓桂朮甘湯や五苓散でも体質や状態に応じて配合や分量が変わるため、より的確な改善が期待できます。薬局での相談には、症状だけでなく日常の生活習慣やストレスの有無なども丁寧に聞き取られ、根本からの治療が図られるのです。

 

原因がはっきりしない不調に悩まされているなら、「自分の体質を見つめ直す」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q. めまいに効く漢方薬は市販と薬局処方で何が違いますか？
A. 市販の漢方薬は誰でも手軽に購入でき、平均価格は1日あたり約200円程度ですが、体質診断がないため処方の個別性に欠けます。一方、薬局処方は薬剤師による問診や舌診などの体質チェックを行い、個別の症状に合わせて処方されます。価格は1日あたり500円から800円程度ですが、改善効果の高さや副作用の少なさ、継続服用時の安全性などから見ても、総合的なコストパフォーマンスは高いといえます。

 

Q. めまいに効果がある漢方薬の服用期間はどのくらいですか？
A. めまいのタイプによって異なりますが、一般的には服用開始から1週間で体調の変化を感じる人もいれば、体質改善を含めて2か月以上継続が必要なケースもあります。特に水滞タイプや気血不足タイプは慢性的な体質によるため、焦らず継続することが重要です。薬局では途中経過に応じた処方の見直しも受けられるため、効果の持続と改善度が大きく変わってきます。

 

Q. めまいの漢方治療で保険適用はされますか？費用はどのくらいかかりますか？
A. 一般的に薬局で調合される漢方薬は保険適用外です。保険が使えるのは病院で処方された医療用漢方薬（医薬品）のみで、市販品や薬局調合の煎じ薬、エキス剤は自己負担となります。薬局での1か月の平均費用は5000円から15000円ほどが目安ですが、症状の改善度や生活の質の向上を考慮すると、高い費用対効果が得られるケースが多いです。放置すると再発しやすく、生活全体に悪影響を及ぼすため、早期対策が推奨されます。

店舗概要

店舗名・・・慈椿堂薬局

所在地・・・〒610-0121 京都府城陽市寺田26-12

電話番号・・・0774-53-6083